203号室で暮らそう

見ず知らずのひとの恋の相談に、私が立ち入ってもいいものなのかな……。

「いや、私、外に出てマックでも食べてくるわ。色々、自分で気持ちの整理とかもしたいし。ふたりでゆっくりお話してなよ」
 
私は部屋の隅に置いていた白いパーカーを引っつかむと、夜の街へ繰り出すことにした。
 
柚実のアパートは、私たちの大学に程近い。
 
だから、この辺の地理はだいたい解っていた。
 
頭上では、星々が瞬きを繰り返し、朗々と謡っていた。
 
どこか、この辺に公園ってなかったっけ?
 
それ程お腹は空いていなかった。
 
外で食べると言っても、お金あんまり使いたくないしなぁ。
 
節約しなきゃいかんし……。