203号室で暮らそう

花火打撃をくらった脇腹に、消毒液をかけてやる。
 
そして、その上にひえピタを貼った。
 
……花火の応急手当てなんて知らないけど、まあ、これでいいでしょう。
 
さて、ご飯だ。
 
部屋に入ってからも一言も口を利かず、正座したまま動かなかったお兄さんだったけれども、ご飯を目の前にすると、心なしか瞳に光が宿ったような気がした。

「どうぞ。召し上がってください」
 
私が言うと、彼はゆっくりと箸を手にし、ご飯に手をつけ始めた。
 
ぱくっ……もぐもぐ。
 
ぱくっ……もぐもぐ。