203号室で暮らそう

「あの、退学っていうのは最終手段だよ。とりあえずバイト続けながら、ネカフェに泊まって、なんとかやっていくよ。生活費と家賃だけ抑えれば、とりあえずは何とかなる」
 
と、突然、柚実が指を鳴らした。

「そうだ、なんなら、ウチおいでよ。一緒に暮らそうよ」

「ああ、いーじゃん。ユリちゃんは実家だし、私は兄貴と暮らしてるから無理だけど、柚実の家ならいいんじゃない? ロフトつきだし」
 
みっきーが手を叩いて言った。笑顔つきで。

「あ……」
 
私は、微かな希望の光を見た。

「今日からおいで。気兼ねしないでさ」