203号室で暮らそう

「ご飯は、シャワーの後です」
 
私がぴしゃりと言うと、彼はぴくっと身を動かし、そしてのそのそとシャツのボタンを外し始めた。
 
よっぽど、お腹が空いているんだろうな。
 
やがて、短いシャワーを終えたお兄さんは、Tシャツ、短パンといった姿で出てきた。
 
白いTシャツにはでかでかと“箱根”とプリントされている。
 
私が旅行先で買ったものだけれど、どうも自分にはサイズが大きくて、タンスの中にしまっておいたままのものだった。
 
長身の彼には丁度いい大きさだった。