203号室で暮らそう

――くしゅん。
 
不意に出たくしゃみ。
 
外は、秋雨がしとしとと降っていて、その冷気は部屋の中へも伝わってきてた。
 
ふと私は思い出して、のろりと立ち上がり、クローゼットを開けた。
 
そして、ハンガーにかけたままの、まだ袖を通していない、白いパーカーを手にし、羽織った。