203号室で暮らそう

私はしばらく、呆然としていた。
 
書置きのあるテーブルの前で、正座をして。
 
ぼんやりと、していた。
 
何も考えることができなかった。 
 
思考が一時停止。
 
完全にフリーズしていた。
 
自分がどうしてそんな状態に陥っているのかのさえも解らないまま。
 
大学の講義も、まもなく始まる時間だというのに、それに気づかないまま。