203号室で暮らそう



ゆうべの変な胸騒ぎは的中した。
 
翌朝、目を覚ますと、私は部屋の中の空気がいつもよりも冷たいのを、瞬時に感じた。

「陽景くん?」
 
ベッドからパッと起き上がると、ベッド横の布団がきちんとたたまれているのに気がついた。

「陽景くん……!?」
 
私はベッドから勢いよく抜け出すと、テーブルの上の紙切れに目が行った。
 
そこには、いつしか私が渡した、この部屋の合鍵が添えられていた。