203号室で暮らそう

今日からは、もう違う。
 
私は授業が終わると、サッと席を立ち、まだ一番後ろの席に座っていた雄輔に、通りがけに“おはよう”と声をかけることができた。
 
雄輔は目をぱちくりさせたけれど、戸惑いつつもおはようと返してくれた。
 
この行動が、一歩だったんだ。
 
別れの一歩。
 
雄輔との別れではなく。
 
……陽景くんとの、別れの――。