203号室で暮らそう

「え? 何を突然……。そんなこと、ないよ。平面的な顔立ちだし、化粧っ気もないし、髪の毛短かったら、それこそ男の子みたいだし……」
 
外見に関しては、コンプレックスだらけなんだから、私。
 
かといって、変わろうとも思えない私の、オンナゴコロってやつがないことにも、若干のコンプレックス。

「違うよ、ゆーか。顔の造りが大事なんじゃない。本当に大事なのは、表情なんだよ」

「表……情?」
 
おでこに当てられている彼の手は、大きくて優しい。

「そうだ。表情。ゆーかは表情がとっても豊かだよ。笑顔だって、とっても可愛い。その笑顔が、みんながゆーかを好きな理由のひとつなんだよ」

「……」