203号室で暮らそう

――まったく、情けない。

失恋したことなんて、とうの昔のことなのに。
 
今更ながら、雄輔と他の女の子が一緒にいるところを見て、寝込むだなんて。
 
だって、好きだったんだもん。
 
初めての恋だったんだもん。
 
簡単に、忘れるなんて、できないよね――。
 
雄輔は、私のどんなところを好いてくれて、つき合おうって言ってくれたんだろう。
 
去年、1年生の教職の講義で、席が隣になって。
 
出会ってまもなくして、仲良くなって、つき合わないかって言われたんだ。