203号室で暮らそう

雄輔と彼女が一緒にいるところを見ちゃった、というショックで発熱しちゃったんだろうな。
 
熱っぽいだけで、寒気とか吐き気とかダルイとか……そういった他の風邪らしき症状はないから。

「まあ、ゆっくり休みな。明日の講義は、全部俺が出てやるから。ゆーか、何か飲み物いらない? ポカリでも買ってこようか?」

「うん」

「あと、熱下げるには桃缶がいいんだ。それも買ってくるよ」

「うん」
 
陽景くんは、今日、例のお店で買ってきた服のうち、自分用のパーカーを早速取り出し、それを羽織って出て行った。