何だか、フッと、世界が虚無に見えた。
真剣なまなざしで、今度は陳列されているYシャツを選んでいる彼。
今は、彼の手を、その肩を、掴むことはできるけれども。
ある日、来るべき時が来たら、彼は煙のようにいなくなってしまうんじゃないのかな。
「――? ゆーか?」
私は自然と、陽景くんの、その細い腕に抱きついていた。
どうしてこんな行動に出たのか、解らなかった。
ただ、陽景くんに触れていたいという、衝動にかられたんだ。
「木綿花!?」
柔らかな陽景くんの声ではない、別の誰かが私の名を呼んだ。
「――雄輔……」
真剣なまなざしで、今度は陳列されているYシャツを選んでいる彼。
今は、彼の手を、その肩を、掴むことはできるけれども。
ある日、来るべき時が来たら、彼は煙のようにいなくなってしまうんじゃないのかな。
「――? ゆーか?」
私は自然と、陽景くんの、その細い腕に抱きついていた。
どうしてこんな行動に出たのか、解らなかった。
ただ、陽景くんに触れていたいという、衝動にかられたんだ。
「木綿花!?」
柔らかな陽景くんの声ではない、別の誰かが私の名を呼んだ。
「――雄輔……」



