「羨ましいなー」




楓、まだ言ってる……。




別に成績に関してだったら何も問題ない。




私は美人って言われるのが大嫌いだ。




人は外見じゃない。




「……俺も羨ましいー。なー? 玉城?」




……!!




突然私の耳に入ってくる声。




見なくても分かる。




あいつだ。




あの谷口明だ……。




「美人で勉強も出来るしねー。誰もが憧れるよねー?」




続いて聞こえてきた声。




……楓だ。




嫌な予感がした。




まさか、あいつと楓呑気に喋っているのでは。




そんな考えが脳裏に浮かんだ。




「玉城は分かってるねー」