クールなイケメン男子に惚れてしまって

そんな時だった。



「ねえ、友達ならない?」




女の声がかすかに聞こえた。
静まり返っている教室なので、小さな声で喋っていてもよく響く。




一瞬俺に言ってるんじゃないかと思ったが、すぐにそんな事ないかと思い苦笑する。




よく見れば俺の前の席の人が誰かに向かって話しかけていた。




確か……。




俺は必至で記憶をたどる。




確かクラス発表時に、俺の前に書いてあった名前……。




そうだ。
思い出した。




玉城 楓って言うんだった。




思わず自分を褒める。
10分前ぐらいにちらっと見た名前だったのに、憶えてた自分って……。




「……え、いいの?」




今度は玉城の隣の席の人が喋る。