クールなイケメン男子に惚れてしまって

入学式まで遡る――。




俺は新しい制服を身にまとい、校門をくぐる。




周りを見ても知らないやつばかりで。
みんな緊張してんだなって思う。




中には同じ中学校から上がってきた人もおるらしく、友達と一緒にいる人もいた。




「俺は何組かな……」




目の前にあるクラス発表の紙を見上げる。




たくさんの人の名前が書いてあって、自分の名前を探すのも大変だ。




【3組 谷口明】




お、あった。




はっきりと俺の名前が刻まれて。
少し気恥ずかしい気もする。




俺は3組の教室に向かった。
まだ来たことのない校舎に戸惑いながらも、なんとか辿り着く。




自分の席が指定されてあったので、そこにゆっくりと腰掛ける。




しんと静まり返っている教室。
誰一人喋らない。