クールなイケメン男子に惚れてしまって

「ほっといてよ」




真正面にあいつを見てから言う。




本当に構ってほしくなかった。





私に近づくのだけは勘弁してほしい。
ろくなことがないのに。




「……なんかあったの?」




一瞬言葉を詰まらせる。




……なんで、分かっちゃうの?
何でもお見通しなんだね。




思わず笑う。




私はあいつに背を向けた。




これ以上ここに居たら、耐えきれなくなるから。




私は歩き出した。




心の中が見透かされそうな気がして。




正直言って怖かった。
あいつの瞳の奥から何かを感じたのは、そのせいかな。




一緒にいたら、私がこれまで我慢してた何かが溢れでてしまいそう。




あいつから遠ざかりながらそう思う。