夏の終わりに



文子は午後の授業もぼーっとしたまま、何も頭に入ってこない状態で放課後を迎えた


なんでこんなに胸が高鳴るんだろうか


特に何かあるわけでもない


いつもの放課後


ただいつもと違うのは…


「お、森川さん」


「あっ…先生」


「今図書室行こうとしてたんでしょ?
僕もちょうど行こうとしてたところ」


「そうなんですね」


「一緒に行こうよ」


「…はい」


不思議だった


ただ並んで歩いているだけなのに


それだけなのになぜか緊張が止まらない