文子は午後の授業もぼーっとしたまま、何も頭に入ってこない状態で放課後を迎えた なんでこんなに胸が高鳴るんだろうか 特に何かあるわけでもない いつもの放課後 ただいつもと違うのは… 「お、森川さん」 「あっ…先生」 「今図書室行こうとしてたんでしょ? 僕もちょうど行こうとしてたところ」 「そうなんですね」 「一緒に行こうよ」 「…はい」 不思議だった ただ並んで歩いているだけなのに それだけなのになぜか緊張が止まらない