駄々をこねるように我儘を言い続けたら
「じゃあ一枚だけな」
依くんは渋々折れてくれた。
人通り沿いから外れた、どこかも分からない小道の一角。
インスタ映えなくても、一緒に撮ってくれるならなんだっていいや。
「待って待って、今設定するから」
セルフィーが究極に下手くそな私は3秒タイマーを設定すると、携帯を縦にしたり横に傾けたり。
依くんは、私の背丈に合わせるようにスッと体を少し屈める。
それだけで
ちょっとドキドキしちゃったよ。
「腰痛ーから早くボタン押して」
「あっ、うん」
真ん中のボタンボタンをタップすると、カウントが表示された。
さん
にい
いち
「っ」
直前で、なぜか急に視界いっぱいに依くんが映ったと思えば、唇に久しい感触を抱いた。

