「足、痛くなってない?」
「うん、痛くないよ」
「あっそ」
優しい後のぶっきらぼうな返答は、依くんの性格をよく表している。
それが垣間見える度、好きだよって言いたくなって口がむずむずと疼く。
でも絶対言っても依くんは「知ってる」「うん」「はいはい」の三択で返すんだろうなあ。
「依くんは行きたいところとかないの?」
「あー、じゃ珈琲飲みたい」
「いいね。どっかカフェに入る?」
今日は比較的暖かいし、こうやって充てもなく歩くのも楽しいけれど。
「折角だし歩きながら飲むのは? 寒い?」
「っ、私もそうしたい!」
スタバで珈琲とカフェラテをテイクアウトして、通ったことのない道を通ってみようってことになった。
「あ〜美味しい」
「伊都、こっち小道あるよ」
「え行ってみよ」
のらりくらりと歩いてるだけ、なのに。
すっごく楽しくて、なんだか幸せで、この時間が永遠ならいいのに、なんてさ。
「あ、カップケーキ売ってる。欲しい!」
「ああ、そう言えば甘いもん食べたいっつってたね」
水色のホイップクリームが可愛くて目をひいたのでそれに決めたら、依くんが奢ってくれた。

