「あ、美味い」
購入したロブスターロールに一口噛り付く依くんが、美味しさに声を弾ませる。
「でしょ!」
初めて食べたとき、これは絶対依くんにも食べさせてあげたいって思ったんだ。
ぶらぶら裏道を適当に歩きながらパクパクとロブスターを頬張る私たち。
「ロブスターがふわふわで美味しい~」
「伊都ってほんと上手い店詳しいよね。ふつーに尊敬する」
「食の細い依くんを『うまい』って言わせるのが最近の趣味なんだ」
「もっといい趣味見つけろよ」
好きな人を喜ばせられる趣味なんて、最高じゃん。
既に食べ終わっていた依くんは
無言で車道側に移動すると私の肩を優しく押す。
ちゃっかり紳士だよね依くんて。
押し付けがましくないその気遣いは、そりゃあモテるわけだ、と嫌でも納得させられてしまう。
「甘いもの食べたくなってきた」
「言うと思った。いいよ」
唐突な我がままも、少し笑って受け入れてくれる依くんに、私はどこまでも甘えてしまいたくなる。

