いつまでも黙ったまま頭の中だけをぐるぐるさせていたら、依くんが私を優しく離す。
「一つだけ質問させて」
「…」
「それに伊都が答えたら、もうこの喧嘩終わりにしよ」
「な、っ」
「だからちゃんと伊都が口で言えよ」
な…なにを訊くつもりなの。
ごくりと生唾を飲み込んで、ポケットに両手を突っ込む依くんを不安げに見上げる。
口許を手で覆いながら、何かの表情を隠していると思えば
その手が再びポケットに戻って。
「伊都のアレって、嫉妬であってる?」
「――――――っ」
久々に耳まで熱くなる感覚を味わされた。

