「これ俺宛?」
「っそ、あ、ちがう!」
ガサガサと開いて読み上げようとする依くん。 ひー! 恥ずかしい!
「返してよっ」
「俺宛ならいいじゃん」
奪い返そうと跳ねても、無駄に背の高い依くんが挙げた腕の先には届かない。
「っ」
もう一度飛び跳ねようと力を込めたとき、背中をぐいと押され、そのまま依くんの胸の中にすっぽりと収まった。
「はぁーーー」
首筋に顔を埋めながら
深い溜息を吐かれる。
そのくすぐったさに身体をよじらせても、依くんは私を離す気配さえしない。
「…なんでここにいるの…」
私はこんなときでも素直になれなくて、ちっとも可愛げのない台詞に、私自身イラッときた。

