ただし、ここからが長い。
言おう。言わなきゃ。って
意識したら一気に喉がカラカラになって、ウーロン茶を喉に流し込む。
冷たい物が喉を流れる感覚が分かると、少しだけ気持ちが落ち着いた。
多いけど5回深呼吸して
チラッと様子を伺う。
そしたら、思わず心臓が跳ねた。
「………」
まさか見られてるなんて思わなかったから。
頬杖をついて、お酒のせいかトロンとした目がじっと私を見ていた。
なんで、って言うよりも
どうしよう、が勝って何も言えないまま沈黙が続く。
ああ、どうしよう
どうすればいい?
顔は多分赤いし、目はキョロキョロしてるはず。
そんな状況にも恥ずかしくなって更に何も言えない。
すると、
「え、わ」
ふにゃ、と表情を緩めたかと思うと
「かわええな」
なんて私の頭を撫でた。
個室の狭さが吉と出たのか凶と出たのか…
息遣いもはっきり聞こえるような距離で触られたら、私が耐えきれるはずがなくて
でも、おかげできっかけが出来た気がする。
もう1回息をゆっくり吐いて
「あの」
彼の吸い込まれそうな目を見据えた。

