悪魔野郎と天使くん



「結城さんが言ってた友達って緑くんの事だったんだね」


「うん…」


あたしがそう答えると緑は黒瀬くんに


「話そらすな」


と言った。


「ごめんごめん。俺さ、結城さんに話す時毎回誰かに邪魔されるなーって思って」


「は?」


「速水瞬だってさっきの緑くんみたいに俺の邪魔してたよ」


「だったらなんだよ」


「別に?ま、速水瞬には感づかれたみたいだけど。じゃあね」


黒瀬くんはそう言うとあたし達の前からいなくなった。


緑と教室に戻る。


「お前…」


「な、なんですか」


「なに寄り道してんだよ」


「寄り道って…あたしは黒板消しを拾いに行っただけであって…」


「知ってる」


「知ってるって…。緑こそ。なんで来たの?」


「お前の事だから落としたの探せねーかと」


「失礼な。あたしはそこまでばかじゃありません」


「どうだか」


「なによーっ」


「…別」


「…うん」


「…」


「…」


緑といたらシーンとなる。


「…お前さぁ…」


すると緑が珍しくあたしに話しかけてきた。