「では出席を取ります」
にしてもあたしの後ろの人…
同じ名前にしてはかなりカッコよかった気が。
あまりはっきりは見れなかったけど。
是非ともお友達になりたいななんてそんな呑気なことを考えていたあたしに
「なぁ、あんた」
え?
あたしですか?
いやでもあたしじゃなかったら恥ずかしいし…
「…おい聞いてんのかよ」
するとその後ろの人はあたしが座ってる椅子を蹴った。
あたしはとっさに振り向く。
「なっ、」
「お前だよお前。耳聞こえてんのか」
なっ!!
初対面から失礼な!!
「お前緑っていうの?」
「え?」
「ってか、今どき鞄に名前書く奴とか初めて見たわ。どこの真面目だよ」
なんですかこの人は!!!
かなりうざったらしいんですが!!!
「だったらなんですか…」
鞄に名前書くのは鞄に名前を書く場所があるからでしょ!
「は、お前と名前同じかよ、紛らわしいわ」
なにっ、
次から次へと…
「結城 緑」
「あっ、はい!」
「吉田 緑」
「…はい」
「以上四十七名が五組となります」
やっぱりやっぱり続けて緑って言った!
「入学そうそう最悪だな瞬」
「え、僕?」
「コイツだよ」
「ちょっ…」
あたしの腕を掴んで引っ張り出すこの人!

