愛華ちゃんは黒板のノートを必死に書いてるっぽいから誘うのは辞めた。


にしてもなんで教室からトイレまで遠いんだろ。


もっと近くに設置して欲しいよ。


「ねぇきみ」


「え?」


あ、この人…。


そこには天使くん。


でもなんで?


「緑ちゃん、って呼んでいいかな?」


「えっ、あ、はいっ」


「じゃあ緑ちゃん。僕緑ちゃんと話したくて」


「え…」


「教室じゃ緑がいるしいつもちょっかいかけられてるから話せないでしょ。だから、追いかけてきちゃった」


「そ、そうなんですか…」


なんて天使なの…。


天使すぎるよ…。


それに天使くんを女子がみんな見てる。


そんな人と同じクラスでそんな人とこんなに話せて…。


「トイレ行くんだよね?」


「あ、うん…」


「行こっか」


ま、まさかの天使くんがついてきてくれるのですか!?


「緑の事、悪く思わないでね」


「え?」


「緑ちゃんのこと、気に入ってるんだよ」


「そ、そうなんですかね…」


「だって緑、女の子に絡むとか今まで全くなかったから」


「そうだったんですか…」


確かにあんな態度はあたしだけ…


でもそれはあたしを嫌っているんだと…。


あたしはただのおもちゃか。