次の日から、三年生が抜けて、ものすごく静かになった気がする。
「はーい、静かにして!」
新しく仕切るのは、
麻耶先輩ではなく優菜先輩。
なんだか、新鮮で変な感じだ。
「基礎合奏するから早く楽器出してください!」
「はい…」
ほとんどが気の無い返事。
これではいけないのだが……。
「なんか寂しかよね」
「そうやね…奈々先輩がおらんけんね」
「ぁー…」
私は、未來と望美とそんな話をした。
「積み上げしてくださーい」
積み上げとは、チューニングを確かめるために、1人ずつ、低い音の楽器から四小節間音を伸ばすもの。
私は、これがあまり好きではない。
1人で吹くというのは未だに慣れず、音が揺れてしまう。
しっかり息を入れられず、音が小さくなりがちだし。
他に、デイリーやコラール、タンギングをして、基礎合奏終了。