「今から、定期演奏会を始めます。まずは、今年のコンクールの曲"青葉の街で"と"jalanjalan"です。どうぞお聞きください」
しーんとしている中、指揮棒が上がり、
全員が息を吸う音が、一瞬響いた。
ジャンジャジャン
ーーーーーーーーーー♪
始まると、いつものように一体感に包まれる。私は、この感じが大好きだ。
ジャンッ!!
全員の音が一斉に止まった。
数秒後、たくさんの拍手に包まれた。
私はサッと移動する。パーカツだったのを、フルートに変えるからだ。
フルートで舞台に立つのは初めてだった。案外緊張する。
「続いての曲は、吹奏楽らしい曲。プスタとフラッシングウィンズです。」
スッ……
静かな音色から始まる。
バッと指揮者が勢いをつけると、
曲想がかわり、激しい音に変わった。
こういうところが、曲の良いところだと思う。
いよいよ問題の連符。
先輩に合わせて、ひたすら指を動かす。
そこを過ぎると、また静かに。
そして、プスタとフラッシングウィンズが終わった。
長かったような短かったような。とにかく難しい曲を吹き終わり、すっきりした。
「続いては第2部に入ります。吹く曲は、"鷲の舞うところ"、"じゅげむ"です。
指揮は、外部コーチの、赤司先生です。
ここで、第2部準備のため、15分間の休憩をとります。少々お待ちください」
その言葉が終わった瞬間、私と望美は立ち上がって、ステージの裏の方に行った。