何週間か立ち、最初に比べるとかなり上達した私たちは、バンド教本を
ほとんど最後まで自分たちで合わせられる状態に。
でも、その本に載っているのは本当に簡単なものだけ。
初めて配られて練習し始めた楽譜は、
イカロス。
最初のイントロで、フルートがとても目立つ場所。
3人で一生懸命練習を始めた。
全くできなかった。指が思うように動かない。
覚えているはずだが、曲になると難しすぎる。
酸欠気味になりながら、のらりくらり練習をして、1日が過ぎていった。
まだコンクールまでは何ヶ月かある時期に、課題曲と自由曲が配られた。
最初から連符ばかり……かなりやる気をなくす。
テキトーに吹いてみると、まだ全くわからない一年生の望美と未來は、
「すご!今、できんかった!?」
「できとったよね!?」
いや、テキトーだ。
「テキトーだよ、できてない…」
とにかくそこの連符を、猛練習した。

