いよいよ楽器を決めなくてはならない。
フルートのほかにも、すべての楽器を体験してみたが、やっぱりフルートが合う気がしていた。
望美も、もちろん一緒に。
だが少しだけ、困ったことがある。
フルートに入れるのは2人となっていて
もう1人のフルート候補者、未來ちゃん
と、話し合いになっていた。
「一応、金管ではホルンとか吹けたけど…」
と言う未來ちゃん。できればだが、金管に行って欲しかった。なぜなら、私も望美も、金管が吹けなかったからだ。
結局話し合っても結論は出ず、先輩達が
それぞれの楽器を決めた。
結果、フルートは、3人入ることになった。
未來ちゃんは、同じ小学校ではあったものの、お互いほとんど喋ったことはなく
ドギマギしていた。
さっそく、基礎の練習から始まった。
廊下で基礎の本を置き、まずは指の勉強から始める。苦戦したのは、ドからレに変わる指。
2つしか押さえないドの指から、ほとんどを押さえるレの指に変えなければならない。
初心者である私たちには困難。
ゆっくりゆっくり、何度も練習をした。