Happiness



さっきの冷めたレイがウソのように優しく抱きしめられた。


「何…」


「お前といたら安心する。」


そんなこと言われるからすっかり忘れちゃってた。


私が何を知りたいのかも…


「俺は龍真って言う族の頭だ」


族…?


族の頭…?


「ウソ…」


「引いた…?」


確かに驚いた。


だけど引いたりなんかしない。


「ううん。私はレイが優しい人だってことも分かってるし、族の頭だからって離れて行ったりはしないよ」


「ありがとな…」


「話してくれてありがとう。」


「その族で問題があって…だから遅くなった。ごめんな。」


「ううん…今レイがここにいるんだから寂しくないよ…」


レイがいるだけで私は落ち着いた。


レイがいないと寂しかった。


あれだけ一人には慣れていたはずなのに…


私は弱い人間だったんだ ― …