後から入って来た男に腕を掴まれた。
「何ですか?」
男は私をじーっと見つめて口を開けた。
「何でだ」
…えっと何が?
「えっ…?」
「だから何で女一人で止めに入ったんだって聞いてる」
…いや何でだしか言わなかったじゃん!!
「いや別に。人が殴られてるんだから止めに入るのなんて当たり前じゃないですか?」
上から目線な男に少しイライラした。
「他に理由があんだろ。」
は…?何なのコイツ。
「いやだから目に入っただけです。それ以外に理由なんてないですから。」
「そうか。すまない」
ホントだよ…!!
「いえ別に。じゃあ私そろそろ帰らないといけないんで腕離してもらってもいいですか?」
「ああ…」
そう言って腕を離した男にじゃあと言い私は早足で施設に帰った。
―それがレイとの出会いだった。

