だけど、それは叶わぬ願いであるということを、麻里子は痛感している。

 だからこそ麻里子は、菜々美の話を問うことをやめなかった。

 それは真一によく思われたいからか、
 罪悪感からくるものなのか、
 絶望からくるものなのかは
 麻里子自身も わからない。

 そう。あの日の、あのときも。