「大丈夫だ。とにかくこの場から離れるんだ」


 真一が麻里子以上に、これほどまでに逃げようとするのには、理由があった。

 いまの彼には、心を鬼にしてでも、捕まるわけにはいかないのだ。


 絶対に。