ふと、壁にかかってる時計を見た。
…もう下校の時間だ。
流石に待ってないよな?
――♪~♪
「ん?あれ、珍し」
ちょっとゴメンと、葵さんが電話に出た。
――~♪♪~♪
「……」
黒川さんも、無言で電話に出る。
「―――話は彼に、直接聞いたがいいんじゃない?」
葵さんはそう言って俺を見た。
「……」
黒川さんは無言で。
「なになに?修羅場?」
楽しそうに栗橋先輩が言う。
ほどなくして、二人は電話を切った。
「…妹さん?」
「はは、理子ちゃん察しいいね」
「葵が分かりやすいだけ」
素っ気なく言う理子さんに、葵さんが苦笑する。
「…慶太、伝言だよ。僕のか~わいい妹から」
「俺も」
「??」


