「ちょおおおおおおおっと待ったああああ!」
二人と先輩達の間に割り込む。
ポカーーンってしてる先輩達に向かってあたしは叫んだ。
「なにしてんのよ!」
ただ、その一言だけを、全力で。
怒りが堪えきれなかったからといって、そこに恐怖がないわけではなかった。
怖い。
あたしに、けんかはできない。
あたしは弱い。
だけど、見過ごせない。
「なんだぁ?この女」
ギロッて睨まれる。
声をあげそうになったけど、グッとこらえた。
「こ、これ以上手ぇ出すなら、ああああたしが相手するわよ!?」
震えてるのが、自分でもわかった。
怖いよ、情けないし…。
でも、逃げたくない。


