向かった先は旧校舎。
「オラッ!」
―――予想的中。
声がした校舎裏を、静かに覗き見る。
「慶(けい)!」
聞き覚えのない声。
でも結衣が言ってた金髪ヤンキーくんのお友達のだろう。
お友達の反応を見て、ヤンキーくんが殴られたのだとわかった。
沸騰寸前…いや、既に沸騰した怒りに蓋をして、あたしは状況を確認した。
5対2、ヤンキー君達が抵抗しないのは相手が『先輩』だからだろうか。
「おい、もう一発やったれ」
先輩が冷たくいい放った。
……落ち着け、あたし………。
いや、むりだよ、そんなこと。
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