わわわ、見てる。
見られてる…。
胸の動機が速くなった。
「俺持ってるけど…辞書」
ま、まさかこれは…
「…見る?」
「!!」
あたしの表情が明るくなったのが自分でもわかった。
それくらい嬉しかった。
話しかけてくれたことが、すごく。
あたしは首をコクコク上下に動かした。
そしたら、ヤンキー君
「…フッ」
って、顔をそらして口をおさえながら笑った。
いつものあたしだったらここで怒るんだけど、彼だったら許せた。
全っ然、許せる。
というか、あたしは赤くなってうつ向いてしまった。
…笑ってくれるのは嬉しいけど、恥ずかしい。
「――じゃあ、机くっつけるな」
「へ?」
あたしが戸惑ってる間に、ヤンキー君はさっさと机をくっつけてしまった。
一気に近くなる。


