あのあと、どうやって帰ったのか覚えていない。 気づいたら家にいた。 母さんに呼び止められて、それを無視して部屋に閉じ籠った。 「……」 ただあいつの涙が、俺の胸に刺さった。 …何でこうなった。 これは、俺の望んでいた結末じゃない。 アイツの涙を、俺は、望んだ訳じゃないのに―――― 「…なんで」 涙がこぼれた。 泣いたのは何年ぶりだろう。 ましてや、誰かを想って泣くのは初めてなんジャ…。 「…サイテーだな、俺は」