間に合えっっ!!
全力失踪。
今日走りすぎた、明日は筋肉痛決定だな。
「――止めろ!」
男の腕を掴む。
間に合った。
ギロッと男をにらむ。
男は舌打ちをして去っていった。
…危ないところだった。
一歩でも遅かったらどうなっていたか……どうなっていた?
俺がもし、遅れていたら……。
コイツに、傷を負わせていた。
そしたら、俺から遠退くだろうか。
距離をおかれる?
……嫌だ。
そばにいたい。
でも、巻き込みたくない。
矛盾する感情。
どうすればいいかわからない。
「――――好き」
…この笑顔を、どうやったら守れる?
どうすればこいつは安全な場所で、幸せになれるんだろう。
――俺のせいで、こうなった。
俺がこいつに、近づいたから。
だから――――


