「…たまには自分から頼れよ」
ボソッと海が呟いた。
「は?」
「あ、亜美菜ちゃ~ん!」
ぴゅーんと、路地裏にたまっていた女に話しかけにいった。
ショートカットの髪にピアス。
見たことねぇやつ。
あいつ、本当に顔広いな。
「あ、海斗じゃん。どした?」
「や~ちょっと人探しを。
話聞いてもいいかな?」
…あいつ。
俺の周りにはいいやつしかいねえのか?
「誰探してんの~?」
「一条愛って子でさ、かわいい子」
情報雑っっ!
そんなんでわかるわけ…
「愛!?その子がどうかしたの!?」
伝わった!?
てか知ってた!?
「これ!見てくれ!」
俺は二人の間に割り込んで、携帯の画面を見せた。
「…嘘、愛が…時期総長の女!?」
「ちげーよ!まだだよ!」
……あ。
「まだってことはこれから!?
マジですか!?
わぁ~賛成です!愛でいいと思います!」
ニヤニヤした海斗に、とりあえず腹パンをした。
「…と、とにかく、一条を見たのか?」


