二人が向かうのは魔法学校の敷地内にある『第三の校舎』
『第三の校舎』はフェルダン王国が誕生して以来、最古の校舎である。
正確には最古の校舎『跡』というべきか。
そこにあるのは、当時魔法学校を造ったと言われる初代校長の彫像と祈りを捧げる祭壇だけ。
魔法学校の生徒たちは月に一回、必ずその祭壇で祈りを捧げる決まりがある。
それが古くからの習わしなのだ。
今回は各学年の光属性クラスの生徒が第三校舎に集まり、祈りの儀式を行う。
「ユウ、急いで。みんなとっくに行ったはずよ」
「どうせ遅刻なんだ、ゆっくり行こう先生」
「そんなこと言って...ユウは生徒だからいいけど私は教師なの。ただでさえ、新米なのに...!」
「生徒やセンコーには人気じゃん。心配ないよ」
ところでさ
「先生と同じ時期にやって来た黒髪ぼさぼさの男の教師、ロゼン・ブラックだったけな...あの人って先生の彼氏?」
「ッはああ!!?」
突然の爆弾投下にルミアは立ち止まって目を剥いた。
「なっ何でそんな話にっ...!!」
「生徒の間じゃ有名だよ。ブラック&ホワイトだし、あの先生すごく不機嫌で切れやすいし怖いけど先生にはすごく優しいじゃん」
当然だ。
そのロゼン・ブラックという男は、ルミアと同じように名前を変えて魔法学校に潜入しているルミアの兄ジンノなのだから。
しかし、まさかそんな話になっているとは。
「あの人はそんなんじゃない!!勘違いしないで!」
「...むきになるところも怪しい」
「~~~っもう!!」
これはあくまでも任務であり、身分は明かせない。
だが、変な誤解は避けたい。
しかも彼氏だなんて!
(信じられない!!早くみんなの誤解を解かないとっ!!)
そんな事を考えながら、第三校舎に向かって歩いている最中の事だった。
「止まれ」
その一声と共に、ルミアとユウの頭に銃口があてられた。



