「今日の連絡は…、また美咲って人が出たそう。隣町のヤンキーをこらしめたらしくて。

町を守ってくれてるのかも知れないけど、顔が見えないし情報が少ないから気を付けて。


じゃ、今日も一日頑張ろうな!」



爽やかに言い、去っていく先生。


美咲という人は、この町じゃちょっとした有名人。
隣町から来たヤンキーをこらしめること以外にも、お婆さんを、ナンパされてる女子を助けてあげたり。

この町の平和は、美咲という人のおかげだったりするから、先生もあまり悪く言えない。


いつもジャージを来てフードをかぶっていて、顔が見えない。

そして、すごい力。
隣町のヤンキーって本当に強い。
けれど、その人達もやっつけちゃうぐらい。女子なのに。

この町のヒーロー的な存在。
美咲は何者か、さきな


昨日散々家で勉強させられたし、もう頑張る気なんて起こりません。

今日ぐらい、さぼっちゃおうか。



「心愛、光ー。あたしお腹痛いから保健室行ってくるー…。」

「大丈夫?美桜。」

「一緒に行こうか?」

「ううん、気持ちだけ受け取る!ありがとう。」



口だけ。悪い人だ。

さ、悪女の美桜様はどこへ行く?
ノープラン。

とりあえず、お気に入りの屋上かな?



それにしても、あたし演技上手!
自画自賛!でも高校生活ほぼ一年、猫かぶってきたんだから当たり前か。



屋上へ続く階段を、楽々上る。
それから、こっそりあたしの技で鍵を外し扉を開ける。

どんな技かは、秘密!



「はーあ!気持ち良い!」



外の新鮮な空気は、体に良い。
今日は陽も暖かい。



「おいでー、美空ーMikuー。」



あたしの呼ぶ声に反応する、かわいらしいメス猫。

あたしの、本当に唯一の大好き子。

もともと、動物は好き。
言葉で通じなくても、気持ちを分かってくれる。仲間を裏切ったり、殺したりしないじゃん。

人間と比べたら、本当人間って心小さい。