「おはよ、美桜!」

「美桜ちゃん、おはよう!」

「おはよう!心愛、光。」



あいさつをするあたしたちは、東高校の二年生。今は五月で、入学して一年ちょっと。つい最近仲良くなり、普段この二人と一緒にいる。


一人目、心愛ーKokoa。
さばさばしてて、頼りになるタイプ。
意外と彼氏を欲しがっている。

二人目、光ーHikari。
可愛くて、守ってあげたいタイプ。
イケメンは興味がなく、女優とかが好き。


そして、あたしは篠島 美桜ーShinojima Mio。
心愛と光の間って感じのタイプ。
で、人間には興味がない。

なぜかって?過去に色々あったから。

もちろん、心愛と光もあんまり信用してないから。



そしてあたしは二人に、隠し事してる。

今のあたしは…猫かぶってるんです。
あたしの本当の正体は、学校の誰一人気付いてないっしょ、たぶん。

あたしは、性格悪いんです。
あれこれ文句をつけるし、自分勝手で口調も悪い。心の中だけだけど…。


なんかよく知らないけど、合わせて“美女三人組“とか言われてる。

すると、注目をあびる。

二人はまんざらでもないんだろうけどね、こっちからしたら迷惑だっつの。



「ね!今日、今人気のカフェ行かない?」



可愛らしく、光が言う。



「いいね、行く!」

「あ、ごめんパス!
あたし用事があって。」



嘘です、そうゆうの無理ですー…。
カフェで女子トーク的な?
なんでいちいち、そんなのに時間かけなくちゃなんないの。



「えー、美桜無理なの?
一回ぐらい三人で遊びに行ってみたい…。」

「仕方ないよ、用事があるんじゃ。」

「本当ごめんね!」



二人とも落ち込んでる。
けどさ、結果あたしいなくても楽しんでるって。

あたし、人間を信じない。
結局、裏切られんだもん。



「はい、おはよう!
今日は欠席いない?」



教室に入ってきた、若い男性教師。
中島ーNakajima 先生。
爽やかで、身長が高い。
モテ男である。



「じゃ、席戻るね!」

「バイバイ、美桜ちゃん!」

「バイバーイ…。」



猫被んの、きつい…。つらい…。
思わず素が出そうになる。

あたしは、学校では優等生。
勉強は真面目に受けて、成績は常にトップ。友達関係も、心愛と光以外ともいい感じでキープしてる。

こんな人が猫被ってるなんて、1mmも思わないだろうな…。