ネルソンの町で



家に入ると、最近家族が買った仔犬ウォルターが吠えて向かいに来た。

『ウォルター元気だったか? また大きくなったなぁ!』

そういうとすごいジャンプ力で僕の腕の中にジャンプした。

ウォルターを抱きかかえながら、家に上がると、父さんがリビングで寝転んでテレビを見ていた。

『ただいま。』

「おかえり」

『父さん、珍しく早いね。』

「あぁ… 何となく今日お前が来るような気がしてな。」

『父さん…』

「母さんならキッチンだぞ。」

『ありがとう』

廊下に出て、先に進むとキッチンから包丁の音がする。

姉ちゃん母さんのしゃべる声が聞こえてくる。

キッチンに行くと、母さんが僕の方を向いた。

「おかえりなさい。」

と優しく、いつもの笑顔で言った。

「ご飯もう少しだから、座って待っときなさい。」

テーブルに着くと、ソファーに座っている姉ちゃんがテレビをつけた。

ニュースで僕のデタラメ熱愛報道の話をしていた。





誰もテレビを消そうとは思わなかった。




みんなはデタラメだということを知ってるから。

しばらくすると、目の前に唐揚げが出てた。




元気がないときいつも母さんが食わせてくれる。

「お父さん、ご飯よ。」

みんなが席に着いて、食べる前にみんなが僕の方に向いた。



「勝利は何を報告するの?」と母さんが聞く。

『あの〜、あれでして。 え〜、熱愛報道のため一年の謹慎を与えられました。 その一年間にニュージーランドという国行くように命じられました、 はい…』


「えっ、でもあれデタラメでしょ?」
と姉ちゃんが聞いた。

『ハイ。』

「じゃあ何で?」
母さんが今度聞いた。

『一年間の自由行動と言われました。 つまり休み。 この際だから、ちょうどいいと思うんだ。 色々と疲れたし、知らない場所で過ごすのも悪くないかなーって。』




「お前の好きしろ。」





父さんの低い声が部屋中に響いた。



「お前がそう思うんなら、そうしろ。 ただ俺たちは責任取らないからな、お前の行動に。」




『はい… ありがと。』





「じゃあ、たべるか!」
姉ちゃんが目を丸くして言った。

よっぽどお腹が空いていたんだろう。

食べてる最中にずっと聞きたかったことを思い出した。

「あのさ、何でウォルターって名前になったの?」

「友達がゲームをしている最中に犬の名前を決めなきゃいけなくて、その子の友達に名前を決めさせたら、ウォルターを思いついたの。
それでちょうどウォルターの名前をどうするかを考えている時にその子から電話があって、相談したらウォルターが良いって。」

『へぇー。 なんか変わった名前が付いたね。 外国の犬みたい。』

「ゴールデンレトリバーにはその名前が良いって。 ゲームと同じ犬の種類だったみたい。」







【僕はこの事を気にもとめなかった。ただ記憶の奥に埋め込まれるはずだった。】