ネルソンの町で

1時間くらい経って、湘南に着いた。
久しぶりに来た。
普通に懐かしい。
風が涼しくて、塩の匂いが懐かしい。

海辺を歩き始めると空が一気にオレンジ色に染まって、日が沈みはじめた。

海ではまだ、サーファーがいっぱいいる。

犬が走り回ったり、

カップルが手をつないで歩いたり、

色々と懐かしい。

実家に向かうといつも通る商店街まで来た。

「ヨッ! 久しぶりだな勝利!聞いたぞ〜これができたんだってな!おめでとう」 って小指を立てながら、魚屋のゲンさんが言った。

『もう別れた。』

「そりゃ〜驚きじゃないな。 まっ、頑張れよ!」

今度は向かいの八百屋のフミさんが俺に気づいた。

「勝利くん、久しぶりぃ〜! 元気だった? また男前になっちゃって。東京はどう?」

『うーん、まぁまぁ〜かな?』

「そう〜! あっ、これお母さんに届けといて。」

『お金は?』

「今日は特別サービス!」

『マジ? ラッキー。 ありがとうございま〜す。』

そのまま家に向かうと姉ちゃんにバッタリ会った。

姉ちゃんはいつも僕の気持ちを読み取る。

エスパーみたいに僕の考えていることも分かる。

「今日は何の報告かな?」


と姉ちゃんは普通に俺に聞いた。

『久々に会ったのにそれが最初の一言? 久しぶり〜とかも無し?』

姉ちゃんが一息ついた。

「私がそいうキャラじゃないことくらいわかってるでしょ」って息吐きながら言った。

「んで? 今日は…」

としらばらく間を空けた。


僕を上から下、下から上までジロジロ見てる?





元ヤンの目線は怖い。

「熱愛の事じゃないみたいだね。」

態度悪そう。

「悪いよ。」

また読まれた。

「表情で読める。」

『ハァー。疲れた。』

「何が?」

『わかんない。』

「んだよそれ。ってか、話は?」

『うん、家帰ってから。』

「そっか。 勝利あのキャラもう止めれば? 」

『えっ?』

「勝利を知っている人みんなが《勝利はそんな奴じゃない!》っていてんだから」

『それもいいかもね。』

話していたら、いつの間にか家についていた。

あたりはもう真っ暗。周りの家はどれも電気がついている。

もちろん家も。