寂しがりやのウサギさん

奏恋side
羽和はめったに家には帰ってこない。というよりは帰りたくないんだろう。家に来るか聞いたら案の定断られた。だけど…

「羽和?今日俺泊まるは。」

「「「は?」」」

「そんな顔してる奴一人にできねぇし?」

「ピクッ」

自覚があったのか動揺する羽和。ったく何年傍にいると思ってんだよ。羽和が俺にねだる時は寂しいと感じてる時だ。羽和自身はそれを悟られまいとしてるみたいだがバレバレだ。たぶんこの二人も羽和の異変には気づいてるはずだ。

「羽和俺さ寂しいって思ったらって言ったよね?」

何の話だ?それはその隣の奴もそうらしい。

「…言った。寂しいって思ったらいつでも電話してって。」

「羽和の寂しさって俺じゃ埋められないの?」

「空夢…埋められると思う。でも今は…ごめんね?」

「じゃお兄さんに埋めてもらいな?でも今度は俺が埋めるから。覚悟しといてよ?」

「うん。」

羽和はめったに人に懐かないし自分の事を話さない。この男は詳しくは知らないだろうがある程度は知ってるな。どういう経緯で仲良くなったかはわからないが羽和が認めた男だ。俺は見守っているかな。
end