「大丈夫か?」

そう言って優しい声が降ってきた。終わったのにまだ震えが止まらない。でも…

「あ、ありがとう…ございました。た、助かりました。」

お礼は言わなきゃね?助けてもらったんだから当たり前だよね?

「うん。もう平気だから。な?」

そう言って涙を拭ってくれる。すっごく綺麗な顔立ちしてる。思わず見惚れてしまった。

「何?見惚れてんの?クスッ可愛いやつ。」

「え?ちが…」

「フッ冗談。てか顔真っ赤。」

私からかわれてるのかな?てかこれ以上ないくらいに恥ずかしいんだけど。

「震え、止まったな。後涙も。」

「ホントだ…」

「立てるか?」

あれ?体に力が入らない。なんで?懸命に立とうとするけれど全く立てそうもない。

「安心して力抜けちゃった?家どこ?送ってく。」

「でも…」

初めて言われた。それに今胸がキュンってなった気がする。なんか憧れちゃうな。彼氏とかできたらこんな感じなのかな。

「助けてもらった上に送ってもらうなんて…」

「そんな事?そんなの気にしないでよ。それに今は助けられたけどさ。また同じ目にあいたい?」

「やっ。」

「じゃどうする?」

「お、送ってください。」

「よし。いい子。」

私あまり頭なでなれるの好きじゃなかったんだけどな。なんか子供扱いされねるみたいじゃん。でも何故かこの人…空夢に撫でられたのは嫌じゃなかった。