『有梨紗。』




『あ、ごめん!まだ準備してて…』







『いいよ、ゆっくりで。』







そして、準備が終わって外に出ると、
少し寒く木枯らしが吹いていた。






『寒くない?大丈夫か?』





『うん。マフラーあるから平気。』






『そのマフラー、小さい頃から使ってるよな。』






『うん。小学校から。あの時は大きかったけど今ではぴったりなんだよね。』





『物持ちいいよな。』







そんな話をしながら、校門を出ると







『あ、あの…!』






『え?』







『あの、さよなら!また、明日!』







『…誰?』







『今日、好きって言ってくれた人。…誰だかわかんないんだけど、懐かしい感じがするの。』






そう言って、彼の後ろ姿を見つめた。