《咲夏side》

春が過ぎようとしている頃────

 「行ってきまーす!」

そう言って家を飛び出した私、歌川咲夏(うたがわ さきか)。もうすぐ春が過ぎようとしている。

「あっつー。」

暑すぎでしょ。まだ6月初旬だけど?
木が等間隔にずっーと並んでいる歩道を歩く。